BMC系人工大理石とは

キッチンカウンターや洗面カウンターなど水まわりに多く採用される素材「人工大理石」。

その「人工大理石」の中でも、最も信頼できる素材として圧倒的な存在感を示しているのが、BMC (Bulk Molding Compound)系人工大理石です。ひとくちに人工大理石といっても、実は原料の種類や製造方法などにより、その性質や性能面は大きく異なります。

BMC系人工大理石は、当社が40数年前に素材の開発に成功し、大型成形機による量産技術を確立した世界唯一の素材で、日本では開発当初からその製法や性能面、品質の安定性の高さから多くの住宅設備メーカーの信頼を得て、今や人工大理石キッチンカウンターの約80%がBMC系人工大理石となっており、また多くの住宅メーカーや建設会社からも圧倒的な支持をいただいています。

開発当初からワークトップ素材として、耐熱性能や耐衝撃性能を重視し、永年の使用に耐えうるよう特殊耐熱樹脂やガラス繊維を強化剤として配合し、複合材の特性を最大限発揮できるような混練方法で素材の製造を行い、高温高圧プレス成形機で製造しています。
そのような製法のため組成は極めて蜜であり、汚染しにくく、清掃性にも優れたワークトップ素材としては最良の素材といえます。
近年新型コロナ禍の状況の中で、エタノールを主成分とした消毒液が多用されていますが、他の人工大理石と異なり、侵されるなどの影響が全くないことも特徴となります。

そのことから大型施設のパブリックスペースやホテルのカウンター素材としても改めて評価されています。


  • BMC(Bulk Molding Compound)とは、すなわち塊状のプレス成形用の複合材料であり、マトリックス(母材)である熱硬化性の特殊樹脂とフィラー(充填剤)、強化繊維等を混練機にて均一に混合し、塊状になった均質なプレス成形用の成形材料です。成形品に要求される性能を満たすことや、良好な成形性を生み出す為に、細かくカスタマイズできることが大きな特徴です。

BMC系人工大理石の特長

  • 人工大理石の特長1.耐熱性・耐薬品性・擦傷性の説明画像

    1. 熱や薬品に強い

    用途により、特殊な樹脂やフィラー、改質剤の配合を工夫することで、耐熱性・耐薬品性・擦傷性を高めることが出来ます。ハイパーシンク(8H品)については、人工大理石の中で最も傷が付きにくい材質(クリスタルサーフェース)を採用しております。

  • 人工大理石の特長2.薄くても強度が高さの説明画像

    2. 薄くても強い

    特殊な樹脂とフィラーとガラス繊維が特殊な混練法により非常に強靭な複合体となっているため、 従来の人工大理石に比べ大幅に強度が高くなっています。

  • 人工大理石の特長3.衛生的で掃除も簡単の説明画像

    3. 衛生的で掃除も簡単

    しつこい汚れも洗剤、溶剤、クレンザー等で簡単に除去できます。

  • 人工大理石の特長4.抜群の寸法安定性の説明画像

    4. 抜群の寸法安定性

    高温・高圧により成形、硬化されたBMC系人工大理石は最も寸法安定性に優れた材質です。キッチンカウンター等、長尺のカウンター材としては最適の素材です。

  • 人工大理石の特長5.メンテナンス性が良い説明画像

    5. メンテナンス性が良い

    ソリッド材になっているため、サンドペーパー等で傷の補修も行えます。 また、専用の補修剤を使えば、欠けなどの補修も簡単。※詳しくはお問い合わせください。

高温高圧プレス成形法の特長

  • 1. 短期大量生産が可能

    超高圧プレス成形による分単位のスピードで成形される人工大理石なので、 1日の生産量は従来の人工大理石と比べて大幅にアップ。また、最新の技術と設備をもつ二次加工工場により、短期間での納品を可能にしました。

  • 2. 継ぎ目のない一体成形品

    金型による一体成形のため、バックガード、エプロン、ボールに継ぎ目がなく、美しい仕上がりを実現しています。また、二次加工での手間が大幅に節減でき、よりコストダウンも可能となりました。

BMC系人工大理石の開発・生産体制

  • 1. 研究開発・商品企画

    世界の市場が求める最新の素材の開発、その特徴を生かした商品企画を行っています。

  • 2. BMC製造

    当社の永年の経験から生まれたノウハウによる生産システムとBMCの製造工程は、BMC配合技術と共に世界各国から熱い注目を集めております。

  • 3. プレスライン

    我が国有数の超大型プレス成形機群により、毎日想像もつかないほど大量の人工大理石製品が生産され、市場に大量供給されています。

人工大理石の分類

一般的に人工大理石と称される素材は、ポリエステル系、アクリル系といった素材の主原料別の2つの対比のみで語られていることが多く見られますが、実はその他のたくさんの要素(マトリックスである合成樹脂の種類、フィラー(充填剤)、材料の混練技術、成形方法など)によっても大きく性質が異なります。

成形方法高温高圧プレス成形注型法
種類BMC系
(Bulk Molding Compound)
PMMA系
(メチルメタアクリレート樹脂)
不飽和ポリエステル樹脂系
ゲルコート層有りゲルコート層無し
原料の特徴マトリックス樹脂・充填剤・強化材を主成分とした複合材料であり、多様性あり。マトリックス樹脂は、アクリル・不飽和ポリエステル等の選択が可能。また強化材やフィラーにより大きく性能を変えられる。PMMA/MMAモノマー/充填材表面の加飾層(樹脂)と
ベース層の構成。
※ベース層に使用される
フィラーは主として炭酸
カルシウムが主流となっ
ている
加飾層無し
(ベース層のみ)
物性の特徴
◎非常に優れている
○優れている
△普通
✕ 劣る
寸法安定性
耐衝撃性○~△
耐薬品性○~△
耐汚染性
耐熱性
耐候性
特記事項1.有機溶剤、酸・アルカリなどに耐性があり、耐薬品性に優れている。
2.国内の人工大理石キッチンカウンターの75%以上に採用されている。
1.エタノールや有機溶剤に侵されやすく、短期間で表面に変化が起きる。

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